再生医療コラム

【ISSCR特別版】再生医療への取り組みから、日本で承認された再生医療等製品の評価資料まで

レメディグループの株式会社インテリムは、2005年に設立した日本では比較的新しいCROです。
設立当初よりオンコロジー領域に力を入れ、現在では様々な案件を受託しています。さらに、2015年からはオンコロジー領域に加え、さらなる強みとして再生医療領域にも力を入れています。
株式会社インテリムでは、再生医療領域のあらゆる段階で皆様の支援が可能です。また、再生医療領域の開発をリードするCROとして、本領域に関しての情報発信も努めております。
本稿では、再生医療コラムISSCR特別号を掲載します。

開発における特別措置

日本では再生医療等製品の開発にあたり様々な規制要件、審査制度、特別措置を設けています。
株式会社インテリムでは、製品ごとに最適な開発計画のご提案が可能です。ここでは、PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency/医薬品医療機器総合機構) , FDA(Food and Drug Administration/アメリカ食品医薬品局), EMA(European Medicines Agency/欧州医薬品庁)の薬事上の特別措置をまとめました。※1,2,3,4,5

表1 PMDA, FDA, EMAにおける特別措置

地域 特別措置
日本(PMDA) ・条件及び期限付承認制度
・先駆け指定審査制度(先駆的再生医療等製品指定制度)
・希少疾病用再生医療等製品指定制度
米国(FDA) ・Fast Track
・Breakthrough Therapy
・RMAT
・Priority Review
・Accelerated Approval
・Orphan drug
欧州(EMA) ・Conditional Marketing Authorization
・adaptive licensing
・Accelerated assessment
・PRIME

日本の特別措置である「条件及び期限付承認制度」は、ヒト細胞等を用いる為に品質や有効性予測が困難な再生医療等製品の特性を反映した承認制度と言えます。

<条件及び期限付承認>
①~③を満たす場合に、条件及び期限(原則最大7年)を付して承認する。
その後、当該承認の期限内に、改めて承認の申請をしなければならない。

  • ①製品が均質でない
  • ②効能、効果又は性能を有すると推定される
  • ③効能、効果又は性能に比して著しく有害な作用を有することにより使用価値が無いと推定されるものでない

日本における出口戦略

日本で再生医療等製品の治験を行う場合、日本国内に住所を持たない製薬企業であっても治験国内管理人を設置することで治験の実施が可能です。また、適切な医師を選出することで、医師主導治験として開発を行うことも出来ます。

これまで日本で承認された再生医療等製品の中には、盲検化や対照群の設定がない試験結果を基に申請を行った製品も多く、無作為化比較試験を基本とする従来の承認プロセスとは異なることが分かります。日本で承認を取得した再生医療等製品とその有効性及び安全性評価資料として提出された試験デザインをまとめました。※6

表2 日本で承認された再生医療等製品及び試験デザイン

販売名・一般名 適応 承認日
(年/月)
有効性及び安全性評価資料の試験デザイン
ジェイス
(ヒト(自己)表皮由来細胞シート)
重症熱傷 2007 非盲検非対照試験
先天性巨大色素性母斑 2016/9 非盲検非対照(医師主導国内試験)
栄養障害型表皮水疱症及び接合部型表皮水疱症 2018/11 ①非盲検非対照(国内第Ⅱ相試験)
②非盲検非対照(医師主導国内第Ⅲ相試験)
ジャック
(ヒト(自己)軟骨由来組織)
膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の臨床症状の緩和 2012/6 非盲検非対照(国内臨床試験)
ハートシート
(ヒト(自己)骨格筋由来細胞シート)
虚血性心疾患による重症心不全 2015/9 非盲検非対照(国内臨床試験)
テムセルHS注
(ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞)
造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病 2015/9 ①非盲検非対照(国内第Ⅰ/Ⅱ相試験)
②非盲検非対照(国内第Ⅱ/Ⅲ相試験)
キムリア点滴静注
*(チサゲンレクルユーセル)
再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病
再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
2019/2 ①非盲検非対照(国際共同第Ⅱ相試験)
②非盲検非対照(国際共同第Ⅱ相試験)
③非盲検非対照(海外第Ⅱ相試験)
コラテジェン筋注用4mg
(ベペルミノゲン ペルプラスミド)
慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善 2019/2 ①プラセボ対照無作為化二重盲検(国内第Ⅲ相試験)
②非盲検非対照(国内臨床試験)
③非盲検非対照(先進医療B臨床研究)
④プラセボ対照無作為化二重盲検(海外第Ⅱ相試験)
⑤プラセボ対照無作為化二重盲検(海外追加第Ⅱ相試験)
⑥非盲検非対照(海外第Ⅱb相パイロット試験)
⑦プラセボ対照無作為化二重盲検(国際共同第Ⅲ相試験)
ステミラック注
(ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞)
脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善 2018/11 非盲検非対照(国内第II相試験)
ネピック
(ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート)
角膜上皮幹細胞疲弊症 2020/2 非盲検非対照(国内第III相試験)
ゾルゲンスマ点滴静注
*(オナセムノゲン アベパルボベク)
脊髄性筋萎縮症(遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む) 2020/2 非盲検非対照(海外第Ⅰ相試験)
イエスカルタ点滴静注
*(アキシカブタゲン シロルユーセル)
再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫 2020/12 ①非盲検非対照(海外第Ⅰ/Ⅱ相試験)
②非盲検非対照(国内第II相試験)
ブレヤンジ静注
*(リソカブタゲン マラルユーセル)
再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫 2021/2 ①非盲検非対照(海外第Ⅰ相試験)
②非盲検非対照(国際共同第Ⅱ相試験)
オキュラル
(ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート)
角膜上皮幹細胞疲弊症 2021/5 非盲検非対照(国内第Ⅲ相試験)
デリタクト注
(テセルパツレブ)
悪性神経膠腫 2021/5 非盲検非対照(国内第Ⅱ相試験)

*:日本国外でも承認を取得している製品

治験における被験者費用

米国や欧州で治験を実施する場合、治験依頼者は被験者の診療にかかる費用を全額負担することが一般的です。一方、日本では治験に対して保険外併用療養費制度が適用される為、治験依頼者が負担する被験者費用は軽減されます。

> 再生医療コラム:再生医療等製品を使用するための条件と治験における保険外併用療養費制度について(別ウインドウで開きます)

日本には国民皆保険制度という公的医療保険制度があり、患者は治療費全体のおおよそ30%を自己負担することで治療を受けることができます。この制度は保険診療が認められた医療にのみ適用される為、保険外診療を受けるとき、又は保険診療と保険外診療を組み合わせるときは通常全額自己負担となります。ただし、治験(及び一部の療養)については保険診療と保険外診療の混合が認められています。この場合、保険診療部分は通常の保険制度を適用した保険給付及び被験者負担となり、治験依頼者は治験に必要な検査等の保険外診療の費用のみを負担します。※7

企業
負担
基本
診察料
検査 画像
診断
手術、
処置等
診療報酬上
評価されていない
手術、処置等
当該治験に係る
加工細胞等
投薬 注射
保険
給付
患者
負担
基本
診察料
手術、
処置等
投薬 注射

図1 企業治験における被験者費用負担

インテリムの取り組み

株式会社インテリムでは、シーズの開発戦略策定から、非臨床、治験、承認取得、市販後調査まで幅広く皆様の支援が可能です。
今回紹介した日本特有の規制、開発環境以外にも、再生医療等製品の開発には様々な課題があります。
製造法及び品質規格の確立、PMDA相談、実施医療機関の体制整備、希少疾患のリクルート等、開発のあらゆる段階で、皆様にとっての最適解を提案致します。

レメディの取り組み

【引用・参考文献】
※1:「日米欧の新薬承認状況と審査期間の比較-2019年承認実績を中心に-」, 医薬産業政策研究所 吉田昌生ら, 政策研ニュース No.61, 2020/11
※2:「再生医療等製品の開発における試験デザイン及び統計的評価方法の検討」,日本製薬工業協会, Ver. 1.0, 2021/5
※3:「Appendix 日米の個別品目の臨床開発経緯の要約」, 製薬協
※4:「「Expedited Programs for Regenerative Medicine Therapies for Serious Conditions」Guidance for Industry, FDA
※5:EMA, https://www.ema.europa.eu/en(別ウインドウで開きます)(2021/9/30 参照)
※6:治験製品の審査結果報告書https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/saiseiSearch/(別ウインドウで開きます)(2021/9/30 参照)
※7:「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について, 平成26/11/25

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